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マレーシア下院の特別委員会は、オーストラリア系のレアアース(希土類)精製大手ライナス・レアアースと米国防総省との供給契約について、公聴会を開き、契約内容やマレーシアへの影響について審査を行った。戦略物資であるレアアースの輸出を巡り、透明性確保を求める声が高まっている。
ライナスは、西オーストラリアで採掘したレアアース鉱の石をマレーシア・パハン州クアンタン近郊のゲベン工場で精製している。同社は2025年、米国防総省と約9,600万米ドル規模の契約を締結し、米国のレアアースサプライチェーン強化を支援する計画を進めている。
今回の公聴会では、一部の議員や市民団体が、マレーシアで精製されたレアアースが米国を通じてイスラエルの軍需産業に使用される可能性を懸念し、政府に対して契約内容や輸出管理体制の詳細な説明を求めた。
これに対しライナス側は、同社はマレーシアおよび国際法を順守して事業を運営しており、製品の最終用途を管理・把握する立場にはないと説明。また、米国との契約は世界的なレアアース供給網の多様化を目的としたものであり、中国への供給依存を減らすための取り組みの一環だとしている。
政府も、ライナスの事業は現行法令に基づいて認可・監督されているとした上で、国家の経済利益と安全保障、国際的な責任のバランスを取りながら対応していく方針を示した。
レアアースは電気自動車(EV)や風力発電設備、半導体、防衛装備品などに欠かせない重要資源であり、米中対立が続く中で世界的な争奪戦が激化している。マレーシアは中国以外では数少ない大規模なレアアース精製拠点を抱えており、その戦略的重要性は一段と高まっている。