関連メディア
グルメシアン[外食・グルメ情報はこちら]
生活情報サイト[生活お役立ち情報はこちら]
マレーシアの学生ローン機関PTPTNの巨額債務が深刻化する中、制度改革を通じて「アンワル政権の遺産」となる無償大学教育の実現を求める声が強まっている。
PTPTNは1997年の設立以来、総額710億リンギットを融資し、このうち320億リンギットが未返済だ。
2023年時点で債務残高は437億リンギットに上り、その多くは借入金で賄われている。
返済は滞りがちで、2023年12月時点で延滞額は108億5,000万リンギットにのぼり、2024年9月には113億2,000万リンギットに増加した。
返済問題は政治リスクも孕む。
PTPTNの借り手は約300万人に達し、彼らとその家族の動向が選挙結果を左右しかねない。
すでに125万人が中央信用情報システム(CCRIS)に登録されるが、38万人以上が一度も返済しておらず、安定返済者は約58万人にとどまる。
若者の多額の負債は、低賃金職や不本意な就職を強いられる要因となり、結婚や住宅購入、起業などの人生設計を遅らせている。
加えて老後資産形成の妨げとなり、年金問題を深刻化させる恐れも指摘される。
こうした中、私立大学生への年間1万リンギット支援を含めても無償化にかかる費用は52億5,000万リンギット程度で、過去5年間でPTPTN支援に投じた96億3,000万リンギットを下回る試算だ。
「無償大学教育は財政的に十分可能であり、破綻寸前のローン制度を存続させるより理にかなう」と改革を訴える声が高まっている。