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マレーシア国営石油会社ペトロナス(Petroliam Nasional Bhd)は、カナダにおける液化天然ガス(LNG)事業が「今後数週間以内に稼働を開始する」と明らかにし、同国からの撤退を強く否定した。
6月5日にクアラルンプールで行われた編集者向けブリーフィングで、ペトロナスの社長兼グループCEOであるテンコ・ムハマド・タウフィク・テンコ・アジズ氏は、「カナダは撤退対象ではない。我々はカナダを離れるつもりはない」と述べた。
同氏によれば、LNGカナダ事業は定期的に出荷を開始する予定であり、同社はこのプロジェクトに25%の出資を行っている。ペトロナスは、カナダの天然ガス埋蔵量が530兆立方フィート(TCF)に上ること、また地理的に日本、韓国、台湾、中国といったアジア市場に近いという利点を活かし、戦略的な輸出拠点として同事業を推進してきたと説明した。
さらにテンコ・タウフィク氏は、「一部のLNG輸送ルートは地政学的な緊張によって妨げられている。その点でカナダの地理的優位性は大きな利点となる」と述べた。
同氏はまた、「カナダ新政権がLNGを発展途上国向けの新たでクリーンなエネルギー源として認識し、より支援的な姿勢を示してくれることを期待している」と語った。
ペトロナスは、カナダにおけるLNG市場でのシェア維持を重要視しつつ、上流事業(探鉱・生産)の拡大にも注力する方針を示した。
資産の売却や多角化に関しては、「引き続き事業の効率化のために資産の合理化を行う」との意向を示し、すでにアルゼンチンでは同様の措置を取ったことを明かした。
今年4月には、ブエノスアイレスを拠点とするVista Energyが、ペトロナスのアルゼンチンにおけるラ・アマルガ・チカ油田(バカ・ムエルタ地域)での50%の持分を約15億米ドル(約71億リンギット)で取得したと報じられている。
Vista Energyはこの買収額のうち9億米ドルを即金で支払い、その3分の1はスペインのバンコ・サンタンデールからの融資で賄われる予定。
残りの支払いは2029年と2030年の2回に分けて行われる見通しである。