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マレーシアで11月29日に行われたサバ州議会選挙で、連邦与党連合 Pakatan Harapan(PH)が、争った20議席のうちわずか1議席しか獲得できず、壊滅的な敗北を喫した。これは、同党がかつて保持していた7議席から大幅に後退したもので、就任後初めて迎えた大規模な選挙での本格的な試練となった。
一方で、サバ州の地域政党連合 Gabungan Rakyat Sabah(GRS)は州政権の座を維持。過去政権与党であったPHの惨敗にも関わらず、GRS率いる州政府が継続される見通しとなった。
この結果について、政治分析家は「サバ州有権者は連邦主導の大政党ではなく、地域政党への支持と自治権拡大、そして水道・電気・道路など基礎インフラの改善を強く求めた」と指摘。PHは連邦政権の中核政党であるものの、地方の事情や有権者の期待との乖離が明らかになったという。
これを受け、アンワル首相はGRSの指導者 ハジジ・ヌール 氏の再任を祝福し、サバ州民が示した「明確かつ強いメッセージ」を連邦政府が尊重すると表明した。また、1970年代以来の懸案となっていた資源収益の分配問題など、長年解決されてきた課題についても改めて真摯に取り組む意向を示している。
今回の選挙結果は、来る全国選挙(2028年予定)に向け、連邦政権にとって大きな警鐘となる可能性がある。特に、地方の声や自治要求をどう政治に反映させるか、そして連邦と州の関係をどう再構築するかが、今後の政局の鍵を握りそうだ。