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マレーシア・サバ州で11月29日に実施された州議会選挙の結果が30日未明に発表され、地域政党連合ガブンガン・ラヤット・サバ(Gabungan Rakyat Sabah=GRS)が全73議席中29議席を獲得し、最多議席となった。ただし過半数の37議席には届かず、単独での州政権樹立は叶わなかった。続いて、野党系のサバ州地域政党ワリサン(Parti Warisan Sabah)が25議席を確保し、バリサン・ナショナル(BN)が6議席、UPKOが3議席、STARが2議席、また無所属が5議席を獲得した。一方、連邦与党連合パカタン・ハラパン(PH)は1議席に留まり、大幅な議席減となった。
政治アナリストは、今回の結果について「中央政党よりも地元政党を重視したいというサバ州民の意識が鮮明に表れた」と指摘している。長年の課題であるインフラ整備や州の財政配分、都市部と郊外の格差是正といった地域密着の課題が、有権者の投票行動を左右したとみられる。GRSは州内の広い地域で安定的な支持を維持した一方、PHは存在感を示すことができず、州内での基盤の弱さが浮き彫りとなった。
過半数に届かなかったGRSは、今後他党や無所属議員と連立交渉に入る見通しで、早くもPH側がGRSと協議入りするとの報道もある。こうした動きを背景に、次期州政府はGRS主導の連立政権となる可能性が高い。今回の選挙は、サバ州が中央政治とは異なる独自の政治力学を強めつつあることを示しており、今後の州政運営の行方に国内外の注目が集まっている。