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米国でトランプ前政権が導入した大規模関税措置が司法判断により無効とされたことを受け、米当局は関税還付の手続きを開始する。一方で、還付対象は米国内の輸入業者に限定され、マレーシアの輸出企業は対象外となる見通しだ。
米税関・国境警備局(CBP)は、4月20日から輸入業者による還付申請の受け付けを開始する方針を明らかにした。対象は未確定案件や直近80日以内に確定した輸入取引などに限られる見込みで、段階的に処理が進められる。
今回の措置の背景には、2月の米連邦最高裁判決がある。同裁判所は、トランプ前大統領が緊急経済権限法(IEEPA)を用いて導入した広範な関税措置について、大統領権限の逸脱に当たるとして無効と判断した。これにより、過去に徴収された数千億ドル規模の関税について返還が必要となった。
もっとも、還付を受ける権利を持つのは「輸入記録上の主体」である米国側の輸入業者に限られる。制度上、関税は輸入時に米企業が支払う形となっているためで、仮にマレーシア企業が価格調整などで実質的に負担していたとしても、法的には還付請求権を持たない。
マレーシアの投資・貿易産業相ジョハリ氏は、関税負担の一部を輸出企業が引き受けたケースについて「商業上の取り決めに過ぎない」と説明。輸入業者が商品の受け取りを拒否し、コストの一部を輸出側に求めた事例もあったが、政府の関与する問題ではないと強調した。
また同氏は、関税そのものはあくまで米国側に課されるものであり、「還付も米輸入業者に帰属するのが原則」と指摘した。そのうえで、今回の関税無効化はマレーシア輸出企業にとって一定の追い風ではあるものの、現時点では米通商法に基づく暫定的な関税措置が残っており、完全な負担解消には至っていないとの認識を示した。
今回の還付プロセスは、数十万の輸入業者と数千万件の取引を対象とする大規模なものとなる見込みで、実務面では申請・審査に時間を要する可能性も指摘されている。今後、還付の進捗や新たな関税制度の行方が、国際貿易に与える影響が注目される。