2025年版「雇用者が選ぶ大学」発表

マレーシアの卒業生雇用に関する主要機関であるTALENTBANKは、2025年度版「雇用者が選ぶ大学（Employers' Choice of University）」リストを正式発表した。
本リストは、国内有力企業が実際に採用している大学を基に作成されており、従来の学術的な大学ランキングとは一線を画す。

この発表会には、高等教育省副大臣ムスタファ・サクムド氏が名誉来賓として出席し、政府として産業界と高等教育の連携を強化していく姿勢を強調した。

TALENTBANKのランキングは、実際の雇用データに基づいており、Maybank、CelcomDigi、CIMB、Nestlé、Hartalega、PwC Malaysia、PETRONAS、Public Bank、Sunway Group、Standard Chartered Bank、BDO、DKSH Malaysia、AIA Berhad、Telekom Malaysia、Generali Insurance Malaysia、Western Digitalなど、マレーシアを代表する企業の協力を得て作成された。

同ランキングは、TALENTBANK独自の「全国卒業生雇用指標（GE Index）」に基づき、①企業が積極的に採用している大学、②実際に採用された卒業生の人数、③卒業生のパフォーマンスに基づく企業のリピート採用状況という三つの観点から評価している。
このGE Indexは単なる調査に留まらず、進学を検討する学生やその家族にとって、将来のキャリアを見据えた大学選びを可能にする強力なツールとなっている。
 

2025年度のランキングでは、マレーシアの公立大学が強い存在感を示しており、マラヤ大学（UM）、マレーシア工科大学（UTM）、マレーシア科学大学（USM）、マラ工科大学（UiTM）、マレーシア国民大学（UKM）などが雇用者から高い評価を得ている。

私立大学では、サンウェイ大学がビジネス、会計、コンピューターサイエンス、ホスピタリティ、料理芸術、コミュニケーション、心理学の分野で優れた教育を提供しているとして注目を集めた。

また、トゥン・アブドゥル・ラーマン大学（UTAR）も、工学、会計、金融、情報システム、アクチュアリーサイエンスなどの分野で高い評価を受けている。
その他、雇用者からの支持が高い大学として、ヘリオット・ワット大学マレーシア校、アジア太平洋技術革新大学（APU）、IMU大学、ペトロナス工科大学（UTP）などが挙げられている。

TALENTBANKの最高経営責任者ベン・ホー氏は、「公立・私立を問わず、多くの大学が卒業生の就職準備において目覚ましい進歩を遂げていることは非常に励みになる」と述べた。