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オンブズマン法案とは? 国民の行政苦情を救済する新たな仕組み

オンブズマン法案とは? 国民の行政苦情を救済する新たな仕組み

2026.01.22 政治・社会

マレーシア政府は、行政機関や公的機関による不正や不当な対応を調査・是正する独立機関を設けるための「オンブズマン・マレーシア法案(Ombudsman Malaysia Bill)」を、2026年の国会会期で提出する予定だと明らかにした。国民が政府の決定や行政手続きに対して苦情を申し立てやすくし、行政の透明性と説明責任を強化することが狙いだ。

オンブズマンとは、行政機関や公的機関の対応に不満や疑義を持つ市民から苦情を受け付け、政府から独立した立場で調査・是正勧告を行う公的監視制度を指す。制度はスウェーデンで18世紀に始まり、現在では英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国など多くの国で導入されている。

これらの国では、オンブズマン制度が原則として無料で利用できる点が大きな特徴とされる。例えば英国の「議会・医療オンブズマン」やオーストラリアの「コモンウェルス・オンブズマン」では、弁護士を立てる必要はなく、オンラインや書面で簡単に苦情を申し立てることが可能だ。裁判に比べて時間や費用の負担が軽く、低所得者や高齢者にとっても利用しやすい救済手段として定着している。

調査の結果、行政の過失や不当な扱いが認められた場合、オンブズマンは是正措置や制度改善を勧告する。多くの国では、勧告に法的な強制力はないものの、政府機関が勧告を尊重し改善に応じるケースが多く、行政サービスの質向上につながっているとされる。

マレーシアで導入が検討されているオンブズマン制度も、会計検査局や国会の公共会計委員会(PAC)など既存の監視機関を補完する役割を担うと見られている。政府の説明によれば、独立性と中立性を確保した制度設計を行い、必要に応じて政府関連機関や公的性格を持つ組織も調査対象に含める方針だ。

政府は、この法案によって国民が行政の不作為や不当な判断に対して声を上げやすくなり、訴訟に頼らずに問題解決を図れる環境が整うと強調している。海外の先行事例と同様、マレーシアでもオンブズマン制度が定着すれば、行政への信頼回復とガバナンス強化につながるとの期待が高まっている。

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