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シンガポールが来月、クアラルンプール市内の高級ホテルで経験豊富な医師を対象に直接面接を実施し、年収38万5,000リンギ相当の高待遇で採用を進める方針を示したことについて、マレーシア上院議員のRAリンゲシュワラン氏が深刻な懸念を表明した。
リンゲシュワラン氏によれば、シンガポール保健省が出した求人広告では、宿舎手当や保険、オンコール手当などを別途支給する厚遇が示されており、マレーシアの医師にとって大きな魅力となるという。
これまではマラヤ大学(UM)や国民大学(UKM)の医学部卒業生のみが直接採用対象だったが、今回は全ての医学学位保有者が対象となり、試験も不要とされることから、「頭脳流出の門戸を一気に開く動き」と危機感を示した。
UMやUKM卒業者は医療官として、それ以外はクリニカル・アソシエートとして同条件で雇用されるが、後者はシンガポールの病院で限定的に勤務する臨時登録医師とされる。
マレーシアでは、経験3年の医療官の年収はわずか7万2,000リンギ程度に留まる現状があり、リンゲシュワラン氏は「医師たちが未来に希望を見出せず、海外を目指している」と指摘した。
2019年から2023年で6,417人の医療官が辞職した現状を踏まえ、同氏は「頭脳流出はもはや滴ではなく波だ。医師を引き留めるための構造改革が急務だ」と訴えた。