逆さ国旗掲揚で愛国心論争、民族間緊張に波及

マレーシア国内で、中国系商店が誤って国旗「ジャルール・ゲミラン」を逆さに掲揚したことが発端となり、民族主義団体と一部市民の間で激しい論争が起きている。

現場では偶発的なミスと説明されたが、マレー民族主義者らは「国家への侮辱」と非難し、SNS上では抗議や不買運動を呼びかける声が拡散した。
一方、冷静な対応を求める声も多く、「小さな過ちを政治利用し、民族間の対立を煽っている」と批判する意見も見られる。
事件後、警察は安全確保のため商店周辺に警備を配置したが、物理的衝突は確認されていない。

識者は「国旗は国家の象徴であり尊重されるべきだが、過剰な反応は多民族国家の調和を損なう」と警鐘を鳴らす。
政府は再発防止の啓発活動を強化しつつ、民族間の相互理解を促す広報活動を進める方針を示している。

今回の騒動は、国旗という象徴が持つ感情的な力と、それが社会的・政治的論争の引き金となる現実を浮き彫りにした。