アンワル首相、仏公式訪問開始　貿易・安全保障強化や地域課題協議へ

アンワル・イブラヒム首相は、首相就任後初となるフランス訪問のためパリに到着し、2日間の日程を開始した。
今回の訪問はエマニュエル・マクロン仏大統領の招待による公式訪問に格上げされ、両首脳はエリゼ宮殿での会談および代表団会議を行い、貿易・投資、防衛、教育、観光など多岐にわたる協力強化を協議する予定だ。

また、ASEAN・EU対話関係や西アジア情勢など地域・国際問題についても意見を交わす見通しで、今年ASEAN議長国を務めるマレーシアとして、南シナ海問題や東南アジア経済、非同盟外交の役割についても議題に上るという。

訪問中、アンワル首相はソルボンヌ大学で「東南アジアと欧州の関係再構築」と題した講演を行い、各国の大使やシンクタンク、学生、報道関係者らが聴講する予定だ。
さらに、フランスの産業界との円卓会議にも臨み、マレーシアと仏企業約180社によるビジネス協力の可能性を探る。

フランスはマレーシアにとってEU内で5大貿易相手国の一つであり、特にハイテクや戦略分野での重要な投資国だ。2024年の両国間の貿易総額は159億5,000万リンギに上り、今年1から5月も62億6,000万リンギを記録している。

アンワル首相はパリ滞在中、在仏マレーシア人コミュニティとも交流を図る予定で、その後ブラジルに向かい、第17回BRICS首脳会議に出席する。