マレーシア消費者連合(FOMCA)は、所得上位20%(T20)層の国民までもが公共病院を利用し始めている現状を「重大な警告」として捉えている。同連合のサラル・ジェームス氏は、医療費の高騰により、かつては富裕層が頼っていた民間保険が利用困難になっていると指摘した。これは低所得層のみならず、中・上層所得層にも医療費負担の圧迫が及んでいることを示す証拠であると述べている。
FOMCAは、保険料の規制強化、明確な請求体制、予防医療への注力といった多角的な対策の必要性を強調した。特に公共病院の利用が増加することで、すでに逼迫している医療資源にさらなる負荷がかかるとの懸念を示した。
また、ペナン消費者協会会長ムヒディーン・アブドゥル氏は、高騰する医療保険料が一般家庭を民間医療から遠ざけ、結果的に公共医療に依存する層が増加すると警告。医療費のインフレがアジアで最も速く進んでおり、特に収入とのバランスが崩れている点が深刻な問題だと述べている。
さらに、経済社会研究センターのリー・ヘング・ギー所長は、中間層および高所得層の一部が公共病院へ流れている現象は、公的医療体制の逼迫を悪化させていると分析。医療費の高騰と保険料の上昇傾向に対し、政府には迅速かつ包括的な対応が求められると指摘した。






