マレーシアのインターナショナルスクールを卒業し、現在ケンブリッジ大学ホマートン・カレッジで自然科学を学ぶ北栄嘉弥人さん。反響の大きかった前回のケンブリッジ合格に至るまでの記事の続編です。ケンブリッジへの引っ越しから約半年。実際に奮闘する嘉弥人さんと、その成長を見守るお母さまにお話を伺いました。
マレーシアからイギリスへ
エムタウン:ケンブリッジでの生活はいかがですか?まずは率直な感想を教えてください。
嘉弥人さん: 全てが新しい環境だったので、最初は慣れることに精一杯でした。食材はどこで買うのか、学問と私生活のバランスをどう取るか。毎日が試行錯誤でしたね。
エムタウン:どのくらいでペースを掴めましたか?
嘉弥人さん: 2~3週間くらいでしょうか。
エムタウン:1カ月経たずに!
お母さま:嘉弥人は 友達を作るのがとても得意なんです。留学当初は人間関係で悩む話もよく聞きますが、彼からは全然連絡がなくて(笑)。「あ、これは楽しんでいるな」と安心していました。
嘉弥人さん: 寮の共同キッチンで自炊している時に、いろんな国から来たメンバーと話すことで友人ができてきました。イギリス出身の友達ができて、ローカルしか知らない穴場を教えてもらったりもしています。
エムタウン:自炊はどのくらいの頻度でしていますか?
嘉弥人さん:ほぼ毎日です。ケンブリッジは学費だけでも恐ろしく高いので、生活費はできるだけ節約するように工夫しています。ランチもお弁当を持参しています。
.33.50.png)
.34.10.png)
想像を超えた「世界中の逸材が集結する場所」
エムタウン:憧れのケンブリッジ、学業面でのインパクトはどうでしたか?
嘉弥人さん: 覚悟はしていましたが、想像を遥かに超える課題の量と難易度でした。最初は睡眠時間を確保するのにも苦労したほどです。現在は物理、化学、数学、物質科学を幅広く学んでいますが、油断するとすぐに置いていかれそうな緊張感がありました。でも難しい分、新しい知識を得ることの喜びも実感しています。
エムタウン:入学してから知ったケンブリッジ特有の制度などはありますか?
嘉弥人さん:ケンブリッジでは、基本的に生徒は皆いずれかのカレッジ※に所属することになっています。そのカレッジごとに、各科目週に1回、教授1人に対して学生2~3人で行う少人数制のクラス「スーパーヴィジョン」という授業があります。通常の大人数講義で分からなかったことを徹底的に質問できる贅沢な環境です。講義で分からなかったことをクリアにできるのでとても助かっています。私のとっている数学、化学、物理、物質科学、それぞれの科目でこの手厚い指導があるので、とてもありがたいです。
.jpg)
※カレッジとは?
ケンブリッジ大学特有の制度で、単なる「学生寮」を超えた独立した教育共同体。学生は必ずいずれかのカレッジに所属し、そこを拠点に少人数指導を受けたり、寝食を共にする。現在31のカレッジがあり、それぞれ独自の伝統や校風を持っている。
「恥ずかしがり屋」からの自己プロデュース
エムタウン:嘉弥人さんの高いコミュニケーション能力は、元々の才能だったのでしょうか?
お母さま: 実は、小さい頃は家の中で一番の恥ずかしがり屋だったんです。幼稚園の面接で緊張して寝たふりをしてしまうくらい(笑)。
エムタウン:それは意外です!今の快活な姿からは想像できません。
嘉弥人さん:IBDPから新しい学校に転入する前に半年位期間が空き、その時に自分を見つめ直す時間が取れたのが大きいと思っています。グループができあがっている環境に飛び込むので、「誰とでも話せるキャラになろう」と意識的に自己プロデュースしました。最初は「演じている自分」でしたが、数ヶ月もするとそれが本当の自分になっていきました。
お母さま: その経験が自信になり、今回のケンブリッジでのネットワーク作りにも役立っているようです。自分で道を切り開いていく姿は頼もしいですね。
エムタウン:素晴らしいですね。その精神力が今のタフな環境でも活きている。
嘉弥人さん:はい。16歳の飛び級生や、有名大学で講義を受けた経歴を持つような猛者がゴロゴロいる環境ですが、臆することなく授業内でも質問できるのはあの時の経験のおかげかなと思います。
.jpg)
伝統のガウンと、セカンドハンドの自転車
エムタウン:生活面でのケンブリッジらしいエピソードはありますか?
嘉弥人さん: ケンブリッジは「自転車」が必需品です。大学の敷地全体がひとつの市になっているような広さなので、寮から講義棟まで自転車で20分かかることもあります。
お母さま: 「イギリス一自転車盗難が多い街」なんて噂もあるので心配ですが(笑)
嘉弥人さん:初めは先輩から無料で譲り受けた自転車で、それが故障してから中古ショップで買った自転車を修理しながら乗っています。
あとは「フォーマルディナー」というのも独自の文化かと思います。カレッジ指定のマント(ガウン)を着用して、コース料理をいただく制度が各カレッジにあります。入学してから何度かフォーマルディナーでのイベントに参加しました。教授と同席することもあり、これぞケンブリッジ、という雰囲気を感じます。
.jpeg)
深化する学びへの期待
エムタウン:ますますパワーアップした嘉弥人さん、最後に今のモチベーションを教えて下さい。
嘉弥人さん:始めは「優秀な周りのみんなに遅れないように必死でしがみつく」という感覚でした。実際に課題が山積みで休んでいる暇がないほど忙しいですが、日々新しい学びがあり、刺激的な毎日を送っていて、新しい知識を得て学ぶことを心から楽しんでいます。友達と話すことも最高のリフレッシュ。正直忙しすぎて悩んでいる暇がありません。これからより専門的な授業も始まるので、それも楽しみです!
編集後記
なかなか聞けないケンブリッジの中の話をたくさんシェアしてくれた嘉弥人さん。「恥ずかしがり屋」だった自分をセルフプロデュースで変え、知の最高峰で逞しく生きる姿はカッコいいの一言。マレーシアで培った適応能力を活かし、自炊や自転車生活を楽しむ等身大の姿に、パワーをもらいました!彼の挑戦と努力がどう実を結んでいくのか、これからも目が離せません。
【 ケンブリッジ生・嘉弥人さんの一日 】
06:30 起床
朝食(コーンフレーク)を食べ、前日の残り物やサンドイッチでお弁当を素早く準備して出発。
07:30 出発。登校・課題提出
自転車で校内中心部にある課題の提出場所へ。課題を提出した後、そのまま講義棟へ移動。
09:00 - 12:00 講義
午前中は連続して座学の授業。
12:00 - 16:00 移動・実験・プロジェクト
持参したお弁当を食べた後、自転車で実験室へ移動。16時頃まで実験やプロジェクトワークに集中。
17:00 買い出し
帰宅途中にディスカウントスーパーへ。自炊のための食材を賢く調達。
18:00 夕食・交流
寮のキッチンで友人と語らいながら自炊。
19:00 - 22:00 自習(猛勉強)
その日の復習や膨大な課題をこなす。
22:00 - 23:00 自由時間
課題が終わればリラックスタイム!
24:00 就寝
翌朝の6時起床に備えて休息。課題が終わらず深夜になることも...
.jpg)






