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マレーシアの『中立外交』が奏功 ホルムズ海峡混乱下でエネルギー危機に対応

マレーシアの『中立外交』が奏功 ホルムズ海峡混乱下でエネルギー危機に対応

2026.08.13 政治・社会

米国とイランの対立が続き、世界的なエネルギー供給への懸念が高まる中、マレーシアが長年掲げてきた中立・非同盟外交が、燃料の安定確保において重要な役割を果たしている。

世界の石油・液化天然ガス(LNG)の約5分の1が通過するホルムズ海峡では、2月末に始まった紛争の影響で船舶の航行が大きく制限されている。マレーシアの原油輸入の約40%も同海峡を経由しており、長期的な混乱はエネルギー安全保障上の大きなリスクとなる。

マレーシアは原油の純輸入国で、1日当たり約35万バレルを生産する一方、消費量は約70万バレルに達する。国際原油価格の急騰を受け、燃料補助金の支出も1月・2月の月約8億リンギットから、3月・4月には約50億リンギットへ急増した。高値が続けば、2026年の燃料補助金総額は約400億リンギットに達する可能性がある。

こうした中、マレーシアはイランとの外交関係を生かし、マレーシア船7隻がホルムズ海峡を無料で通過する許可を得た。また7月には、サウジアラビアからマラッカへ向かうペトロナス所有船が、紅海の航行についても安全確保につながる対応を受けた。

さらに、ロシアや中央アジアとのエネルギー協力も強化している。トルクメニスタンではペトロナスがガス田の権益を取得し、ロシアからはガソリン、ディーゼル、ガスを少なくとも20年間供給する構想が進められている。

一方、マレーシアはエネルギーを外交強化にも活用。2028年から日本のJERAに年間最大200万トンのLNGを20年間供給するほか、豪州への燃料供給を優先し、余剰ディーゼルを東ティモールなどASEAN諸国に提供する方針も示している。

今回のエネルギー危機は、マレーシアにとって大きな試練である一方、特定の陣営に偏らない外交政策が、燃料調達と地域協力を支える強みとなっていることを浮き彫りにしている。

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