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マレーシアのイスラム教徒向け巡礼基金「タブン・ハジ」の過去の運営を調査した王立調査委員会(RCI)の報告書を巡り、国会で11日、特別審議が行われる。報告書では、2014年から2020年までのタブン・ハジの経営や財務管理について、複数の問題が指摘されている。
RCIは、タブン・ハジの投資や財務報告、組織統治などを調査した結果、経営や監督体制に改善すべき点があったと指摘した。特に問題となったのが、資産価値の評価や利益の計上方法など、財務報告を巡る問題だ。
報告書によると、2017年にはタブン・ハジが約14億リンギの純損失を計上していたにもかかわらず、約34億リンギの純利益が報告されていた。RCIは、こうした財務状況の処理が預金者や国民に対して正確な経営状況を示すものではなかったと指摘している。
また、タブン・ハジの投資判断や監督体制についても問題があったとされる。RCIは、組織のガバナンス強化や投資判断の透明性向上、政治的介入の防止などを含む計25項目の改善策を提言した。
政府は報告書の内容を踏まえ、タブン・ハジの経営体制や監督制度の改革を進めている。アンワル・イブラヒム首相は、過去に同基金が経営上の問題によって危機的な状況に陥ったとの認識を示す一方、現在の財務状況は安定していると説明している。
タブン・ハジは、イスラム教徒がメッカへの巡礼(ハッジ)に備えて資金を積み立てるための重要な金融機関で、預金者は約980万人に上る。政府が今回の報告書を公開した背景には、過去の問題を明らかにするとともに、同基金に対する国民の信頼を回復する狙いがある。
11日の国会審議では、過去の経営判断や財務処理の問題に加え、RCIが示した改善策をどのように実行していくかが焦点となる。タブン・ハジの改革が、預金者の信頼回復につながるか注目されている。