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マレーシア政府は、登山者の事故や遭難を防ぎ、捜索・救助活動にかかる費用や人員負担を抑えるため、国内の登山活動に対する規制を強化している。
天然資源・環境持続可能性省のサイド・イブラヒム副大臣は29日、上院で、高リスクの山岳地域で短時間での登山を目指す「圧縮登山」を制限するほか、登山前の健康状態の確認を強化していると説明した。
同副大臣によると、一部の登山者は十分な準備をせず、ソーシャルメディアの流行をきっかけに登山したり、許可されていない登山道に入ったりするケースがある。こうした行動が遭難や事故につながり、捜索・救助活動に多額の費用と人員が必要となっている。
ペラ州森林局は高リスク地域での短時間での登山を禁止しているほか、野生生物・国立公園局も管轄するエコツーリズム施設で同様の規制を導入している。
政府は登山前の審査も強化。健康状態の申告、病歴の確認、保険加入を求めるほか、サバ州のキナバル山やパハン州のタハン山などでは、高地障害や急性高山病の症状を確認する仕組みの導入も検討している。これにより、リスクの高い登山者を事前に把握し、事故を未然に防ぐ狙いだ。
また、半島マレーシア森林局は、国内189カ所の高リスク登山地域で森林登山ガイドの同行を義務付けている。これまでに先住民オラン・アスリを含む地域住民2,322人がガイド資格を取得しており、登山者の安全確保や緊急時の対応を担っている。
政府はさらに、テクノロジーを活用した安全対策にも乗り出している。マレーシア宇宙庁と連携し、地理情報システム(GIS)を利用した登山道管理システムやリモートセンシング技術を開発しているほか、登山者にGPS追跡端末を装着してもらう実証実験も進めている。
政府は、事故が発生してから救助するのではなく、登山前からリスクを把握して遭難や事故そのものを減らす「予防型」の安全対策を強化する方針だ。