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マレーシアの電子商取引市場で、商品の返品を容易にするサービスが消費者のオンライン購入を後押しする一方、販売業者のコスト負担を増やしている。返品無料や集荷サービスなどの普及により、実物を確認できないオンラインショッピングへの心理的な抵抗は小さくなったが、返品処理や再販売に伴う負担が事業者側に集中するケースが増えている。
業界関係者によると、サイズが合わない、商品写真と実物の印象が異なる、配送時に商品が破損するといった理由で返品されるケースがある。特に衣料品や靴では、同じ商品を複数のサイズや色で注文し、自宅で試した後に不要な商品を返品する「ブラケティング」と呼ばれる購入方法も広がっている。
マレーシア越境電子商取引協会(MCBEA)のダニー・タン会長は、無料で簡単に返品できる制度がこうした購入行動を促す可能性を指摘する。一方で、返品制度そのものはオンライン購入の安心感を高める重要な仕組みでもあり、消費者保護との両立が課題となる。
返品が増えれば、販売業者には返送料だけでなく、商品の検品、再包装、在庫管理、再販売できない商品の処理など、いわゆる「リバース・ロジスティクス」のコストが発生する。特に中小企業にとっては、返品率の上昇が利益を圧迫する要因となる。
オンライン消費が拡大する中、今後は返品の利便性を維持しながら、販売業者側の負担をどのように抑えるかが重要な課題となる。プラットフォーム、販売業者、政策当局が返品データを共有し、実態を把握する必要性も指摘されている。