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ジョホール州Forest City「Network School」問題 営業停止に至る経緯と現状

ジョホール州Forest City「Network School」問題 営業停止に至る経緯と現状

2026.07.24 経済・現地企業

ジョホール州の大型開発地区「Forest City」で運営されていたテクノロジー人材向け教育・コミュニティ施設「Network School」が、2026年7月、マレーシア政府とジョホール州当局による調査を受け、営業停止に追い込まれた。一連の騒動は、外国人投資誘致と国家主権・法令順守のバランスを巡る問題として国内外で注目を集めている。

Network Schoolは、暗号資産業界で知られる元Coinbase最高技術責任者(CTO)のバラジ・スリニバサン氏が設立したプロジェクトで、世界各国の起業家やエンジニア、投資家らが共同生活を送りながら学び、事業開発を行う「テクノロジー・コミュニティ」を目指していた。会員制で運営され、Forest Cityを拠点に数カ月単位で滞在するプログラムを提供していた。

問題が表面化したのは7月中旬。SNSなどで「イスラエル国籍者が第三国の旅券を利用してマレーシアへ入国し、Network Schoolに滞在している」との情報が拡散した。マレーシアはイスラエルと国交がなく、イスラエル国民の入国は厳しく制限されていることから、内務省は入国管理法違反の疑いについて調査を開始した。

その後、移民当局による立ち入り調査では、施設に滞在していた外国人の在留資格などに重大な違反は確認されなかったと報じられた。しかし、ジョホール州政府は別の問題として、施設の営業許可や用途が認可内容と一致していないことを確認。事務所として認可された施設を教室として使用していたほか、一部施設では営業許可を取得せずに運営していたとして、イスタンダル・プテリ市議会は営業停止命令を出し、その後、営業・広告ライセンスを取り消した。

また、マレーシア高等教育省も、「Network Schoolは私立高等教育機関として登録されておらず、国内大学との提携もない」との声明を発表し、正式な教育機関ではなく、起業家向けの民間コミュニティ施設であることを明確にした。

7月22日には市当局が施設を封鎖し、翌23日には「Network School」が営業を停止。施設の看板は撤去され、多くの参加者が荷物をまとめて帰国する様子が報じられた。

一方、創設者のスリニバサン氏は、政府の対応について「誤った情報に基づく対応だ」と反発し、マレーシアへの追加投資計画を見直す考えを表明。その後、Network Schoolの新たな拠点をカザフスタンへ移転すると発表した。

今回の問題は、単なる営業許可違反にとどまらず、外国人コミュニティの管理、国家安全保障、イスラエル問題、さらにはマレーシアが進める海外テクノロジー企業誘致政策との両立という複数の課題が重なった事案となった。政府は「外国投資は歓迎する一方、国内法を順守し、国家主権を損なう活動は認めない」との立場を示しており、今後の外国企業・スタートアップ誘致政策への影響も注目されている。

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